詩「静寂」

「静寂」空みつえ

秋から冬にかけての
嵐の後の静寂が

たまらなく　ここちよい

はらはらはらはら
おちる葉も

くびねっこひっこめた
その上からふる雪も

たまらなく愛しくみえる

時々がさりと
田舎の森で

かきの実のおちる音も

北国の雪の上を
とたとたとたとた

走るけものも

たまらなく嬉しく思える

秋から冬にかけての
静寂の中にひそむ生命(いのち)が

私は
たまらなくここちよい

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成21年7月作

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　空みつえ